Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.387 Zeichen · 453 Bildschirme
只、現在は私の経済力も到って小さくて残念ですが。
野原の方は、あのお墓のある地域を覚えていらっしゃるでしょう? あの辺から(すこし手前から)ずっと海辺に近くまで何か海軍の方の大工場が立つのだそうです。七円であった地価が二十円となりました。そして、あの家の裏に十二間道路が出来るそうです。従って、野原の地面も予定の略三倍の金を生じたので、すっかり御安心です。あちらの方はそういう思いがけないことで心配はいらなくなりました。冨美ちゃんは室積女子師範の附属高女の由です。女学校から引つづき小学校の正教員の資格をとるようにとあちらでも考えていらっしゃる。女の子でも一人しっかりさせておかなければあの家はあとでお困りでしょう。富雄さんも、七円から二十円へ着目して、この頃は外交員仲間をかりあつめて株屋をはじめたいなどと云っているそうです。外交員では、株の社会でもまともには通用しない存在だから、しっかりした店の店員として働くなら話は分るが、株屋をはじめると云うのは。どうも、実にどうも。お母さんへの啓蒙をこの頃やっているらしく、同じ興味をもたせようとして、送金の出来ぬ月はやすい株を上げておくからよく気をつけていて価の出たとき売るようにと云ったりしている風です。