Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
の学芸で、杉山平助が書いていて、山本有三が『主婦之友』とかにかいていた「路傍の石」をかきつづけられなくなったということを、作家が事実を通過して描けなくなった今日の現実を遺憾とする意味でかいていました。有三でさえという意味で。人間の心の成長、時代のうごきの必然には、明暗があるのが当然であって、そこを通過することは、天然の理法であるにかかわらず、と云っている。有三においてさえなお然り。このことには無量の意味があるわけです。或る作家にとって、例えば、一人の妻の心というものがあるとする、良人を思う心をかくとする。良人を思う心は抽象には存在いたしませんからね。きわめて具体的条件があります。その条件をぬいてかいたとして、妻の心一般であって、芸術的には独自性もありません。だから書かない。それだけその作家は宝をもちぐされている。何と痛切でしょう。作家はいつも一番かきたいテーマというものがあり、それをこそかいて力量をいっぱいに振えるのであると思います。そのテーマの一番必然なものをいつもよけているということの毒は、非常にふかいものですね。作家の渾身の努力は、いかにしてこのフショク作用にうちかつかということでありましょう。