Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、考えたの、本当に隅から隅まで妻なら妻を好くことが出来ることは、なかなかあり得ないことだと。自分が、わるいというのではないが、好きといえないもちものをもっていたことをはっきりわが目でみれば、いかにも沁々それが思えました。そして夫婦というものをあわれにも思いました。愛してゆく、というのは、どういうことなのでしょうね。私は好きだから愛す、と永年思って来たけれど、今はそうばかり思えません。愛すということと好きということはどこかちがって、好き、という感情のつよいひきつける力は、意志以前のようで、好きだから愛してゆくという現実もこまかくみれば、好きなところが多いものだからいやなところや辛いところをこらえて、それをへらす努力をしてゆく、その心が愛というもののようね。好きだから愛す、そんな棒のようなものではないのね、人間の心は。愛は妻なら妻のいやなところに傷けられるときもありながら、只そのいやなところを憎まない、何とかしようとしてゆく、その心ですね。人間のいやなところというのは大変悲しいものね、好きなものがどっかにいやなものもっていて、ちょいちょいそれを出す。