Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
こんなに段落がついて、くっきり自分の心の展開の自覚されるということはうれしいことだと思って。
お母さんもいろいろの点で今いいお気持だし、隆ちゃんも一週間で手紙の来るところに無事で蚊にくわれもしないでいるし、それもやっぱりうれしいでしょう?
それに、何年ぶりかで、借金しないで暮が過せて私はいい心持なの。これもまあいい心持の一つ。
何だかひどくうれしづくめの手紙のようで滑稽だけれど、それでも、その範囲では御同感でしょう。元より一番のうれしいことは、勉強のこととあのことと、仕事のことよ。
この勉学の収穫としてのいい心持というのは、夏から後の結果に対してばかりでなく、よく考えてみると、この三四年来のいろいろの心持の起伏の集積に対して効果を与えているのであると思います。あなたが、あきもせず、くりかえしくりかえし仰云っていることは、やがてはこのようにしてしんからわかる結果で結実するのね。そのことも大変面白いわ。そして、自分の程度がもっと高まるにつれて、くりかえしの必要のへってゆくことも面白いと思います。
この手紙、まるで郵便船でも出るように、いそいで終って速達にいたします、二十八日に間に合わないといけないから。