Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
無理もないけれども。
きのうそちらへ行ったのよ。一昨日の朝、紀が無事にかえって来ました。それで林町へ行って、親類が集ったのでおそくなりそうなのでとまってしまい。かえりそちらへよったらお金でしか入らない都合で(物はあるけれど)つまらなかったけれども、とにかく来たしるしに。
バラやカーネーションは、平凡と思えば平凡ですが、やはり何かを語るところもあって、すべて花はやはり美しいと思います。花をよくよく眺めていれば、なかなか感動的です。
机の上にフリージアの花があってね、はじめピンと軽く立っていたのが、花が一つ一つひらきはじめたら、その花々の重さで茎が何とも云えないリズムをもって撓っています。
白い花弁に一本黄色い暖い色が走っていて、よく見ると深い花底の蕊の下にいかにもしゃれた赤っぽい縞が描かれていて、この一つの花に独特さを与えるこまかい自然の変化にほんとにおどろきます。その花の独特さ、ほかにない調子、それだけにある香り、重み、そういうものをしんから知ってきりはなせないのは、その花の茎であり、花から云えば茎であるというのは何と面白いでしょう。その花にその茎、その組合わせ以外に自然は考えさせもしない、それほど互にそれらしくある。