Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 289.044 Zeichen · 575 Bildschirme
ああいう天質の成長というものの中にどの位文化の多面さ、ゆたかさ、自由があるか、そのことでひとしお感動しました。もし私があの書評をかくとすればそのところにつよい光をあてます。新しい文化の傑出したタイプです。本当に感慨無量で、目に涙が浮ぶようでした。訳者は「小説(文学作品)とは云えないが」云々と云っている。しかし、文化の分裂の形であらわれる小説よりは質において遙に上です。あの中には人間の美がさっぱりと輝やいています。あれも本当に、いいお年玉です、いいものを下さいました、ありがとう。ああいうよろこびをもって小説家が仕事出来たら。きっとそうお思いになったでしょうねえ。創ってゆくよろこびが躍動してそれは天真爛漫にさえ見えます。
人間に希望、よろこび、慰めを与え得る文字、というものの価値は大したものです。日本の作家はこれまで、そういうものを通俗な事件そのものの目出度しや、ある心の境地や諦めやで与えようとしてだけ来ていますが、芸術の到達し得るところは、そんなところではないわ、ねえ。芸術は、悲劇をもやはり人間精神の高いよろこびの感動として与え得るべきです。苦痛の中にそのものが描かれてゆくことのなかに、大きい一つのコンソレイションがあるべきです。