Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
といういのち溢るる詠歎。この「よろこばしき」の格調は一度よむと、もう耳につき魂について決して忘れられない美しさね。どうしてあんなに美しいのでしょう。ほんとにどうしてその美しさはいつもまざまざと描き出されて、うすれるどころか印象の中で一きわ光彩陸離となってゆくのでしょう。そこが芸術である所以でしょうか。「泉」の描きかたにしろ。ねえ。それから「木魂」という、あの可愛らしくて真実みちたソネット。森の中で――忘れておしまいになったんでしょう?――一人の少年が爽やかな早春、一匹の栗鼠を見つけ、おやと眼をみはります。その栗鼠は不思議と、余り遠くへ行かずやっぱり眼をパチクリさせて少年を見ています。ふっと少年はその栗鼠をつかまえようとします、栗鼠は逃げます、でもふりかえりふりかえり逃げて到頭、それは少年の二つの手につかまります。何と可笑しい栗鼠でしょう、その手の中から逃げようとしないのよ。少年は笑って、いいかい、もう決して離さないよと心持よさそうに叫びます、するともう決してはなさない、とどこからかもう一つの声が答えるの。どこからかしら、少年は栗鼠がいうのかしらと思うの、もう一度ためしに、いいかい、もうはなさないよ、そういうと、どこかで又もうはなさない、というの。