Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
三月二十四日
きっとあなたは一種の安心をなさるでしょうと思うわ。だってユリの育った伝統からの云々というものがもう顔を出す余地はどこにもないのですもの。では明日ね。
[自注3]花園の被害についての話――戦争拡大のため、宮本百合子、中野重治その他の作品発表が禁止された。
三月二十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
三月二十三日 第十五信
この前の手紙さしあげてからもう一週間も経ったのねえ。この頃の毎日の迅さは一種独特な味です。忙しさも亦独特。中公の本の様々の手入れ、手つだいの人が来ていて、(あの娘さん)もう二日ほどで完成です。(表の方は)どんな片わでも、生まれるものなら生んで置きましょう。この忙しさは、粗悪なトンネルがくずれないうちに通りぬけて置こうとするような味ですね。
附箋つきのお手紙。住所が変ればこういうこともなくなるのだろう、そういう感懐をもってしげしげと眺めます。そして、あすこの門の前のこと考え、たとえばこんな手紙がポストの中に入れられている。門は奥が遠くて、人がとりに来ない。その間に、勝手に手を入れて、何が来ているか見たりするのは必定です、それを考えると、嘔きたくなる位いやです。