Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

まぎらしのすぐ裏にどっさりの語られない思いがあるのだから。

こっちももののないことは東京と大差なしです。お豆腐もなかなか手に入らず、野菜も少い。お魚もなかなかこっちへ迄はまわらないうちに売切れてしまう。牛肉がそれでも買えて珍しいと思います。玉子もあるの。お菓子も出来た時にはある由。七分づきのお米です。でもやっぱりおかずに困っていらっしゃるのよ、東京と同じねえ。何にしようときめるとその材料がない、それで又考え直しという工合。

明日あたりお墓詣りいたします。十九日二十日は野原。二十一日にこちらへかえって、もし達ちゃんにもう会う折がなさそうならば二十四日ごろにでも立つかもしれません。

きょうは友ちゃんも達ちゃんも涼しくて、そして雨があがっていて大助りでしょう。

(ゆり子はん、おふろへお入りませとおっしゃるので一寸入って来て)

お母さんもつまりは商売をぱったりやめられもせず、で却って気に張りがおありになるらしく、くず折れては決していらっしゃいません。私が来てよかったとくりかえし仰云います。よかったことね。新しい顔が一つ加ると、家の者ばかりでしめっぽくなるのがなおるのですって。