Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
それでも野原の風はまだ心持よい沖からの風で、お宮の縁に小学上級らしい少年が二人、一冊の本に一人が何か書き入れのようなことをして居りました。そして、お手紙の貼ってあるのをよんでいたら、室積の途中の松原のところや、島田と野原の間のあの池のところが、あなたの勇気のいる場所だったというのをよんで、大いに愉快になりました。きっとそうだったでしょう、今通ったって、やはり印象にのこる独特のところですから。あの池のところは、尤もひどい変化で、右手には工廠の塀つづき、左手のあの池が貯水池になって居ります。でも一種寂しい趣は漂っていて、妙ねえ。ああいうところというのは。野原の横へ出て見れば、全く截りひらき、平らにし、建てかけているという赫土の地肌が到るところにむき出しで、新開の気分充満。その気分が軒並の小店となって村道にあふれている次第です。
野原の家のとなりの材木屋があの二階つきの翼を買ったのねえ。いつか行ったとき何心なく下駄ばきで上って行って見たところ。あすこがあなたの部屋だったのですってね。材木屋の小さい六つと五つの女の子が一昨日の祭日には、きれいな着物を着てあの二階に遊んで居ました。