Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
これと、もう一つ内心ホクホクのことは、この間うちいろんな新しい小説をよんでいて、所謂書けないからこそ、とっくりそこの井戸は掘って見ようと思う文学上の新しい方法(というのも変だけれど)がちらりと心に浮んでいて、それがたのしみで私はこの二つのことを最近つかまえた狼の子と呼んでいるのよ。
この頃の、抜き糸を箱の底へためたような小説がいやでいやで。文学はどこかにもっと堅固な骨格や踝をもって、少くとも歩行に耐えるものでなければならないと思っているものだから。ヘミングウェイなんか実に暗示にとんで居ります。題材その他いろいろの点全くここにある可能とは異ったものではありますが、でも私にとってはやっぱり広い野面に視線が向けられた感じです。
そういう狼の子たちの育つのが、育てるのがたのしみで、そのそれで新しく引越す生活に自分としてのはっきりした心持のよりどころ、中心が出来たわけです。都合のためだけで、ああいう空気の中に入ってゆく気は迚も迚も出ないのです。
つかまえたものが心にあれば、私は愚痴もこぼすまいと思います。ぐるりの人たちの生活態度にばかり神経が反応するという弱さも生じないでしょうと思います。