Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わたしのこうりしょうどう

私の小売商道

相馬 愛蔵

Lesen Sie 私の小売商道 (わたしのこうりしょうどう) von 相馬 愛蔵 (そうまあいぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.396 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

商売の快味

商売の快味

田舎の人が都に来て、我等が堂々として小売商売をしているのを見て、つくづく嘆声を残してかような狭苦しい所で、あまり儲かりもしない商売をして、年中あくせくとして何が面白いのであるか、このくらい田舎で働いたならば、年々財産が殖えるばかりである、というのである。しかり彼らがいう如く、何が面白いのであろうか。自分等にも分らぬのであるが、商業は一種の道楽であって利害得失のほかに面白味がある。時々二食で店番をすることもある。また徹夜しても約束の時間までに菓子を製造して届けねばならぬこともある。あるいは原料が高くなって、収支償わないことがある。同業者と競争をして打撃を受けることあり、あるいは店員に不都合なものが出たり、内憂外患これではもう往生するよりほかはないと思うことがある。ことに好きな読書時間がないのが何より不平であって、精神上しきりに一種の渇望を感ずる。しかしその多忙で一寸の暇もない内に時を見出して、半ページ一ページの読書をなす時は、実に愉快この上なく、ことに月末の一週間は勘定しらべのために費さねばならないが、これが済めば全身綿の如く疲れる。肩も張る。