Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし今生これきりと知る生別を本心でもない偽りの怒面で子を追いやるには忍びなかった。――で、それからも正成は、じゅんじゅんと子を諭し、そしてほどなく、楯に敷かれた毛皮の上に正行を寝かせ、自分もつかのま、そのそばでまどろんだ。

短夜はすぐ明けた。

遠方此方の幕舎で、はや、将士の起き出る気配がする。正行は、どこかで顔を洗ってもどって来た。深くは眠れずに過ごしたのだろう。今朝もまた、瞼は赤く腫れあがっている。

父はと見れば、正成はもうその将座に、数名の幕僚をよんで、何事かをさしずしていた。その将たちも忙しげにすぐ去って行く。正行は、いつもの家庭の朝のように、父の前へ来て、朝のあいさつをした。

「眠ったか」

「はい」

「そして、今朝になって、どう思うの。父が申したことばは、あやまりであろうか」

「いえ……」

正行は、言った。

「よくわかりました」

「おう」

ニコとして。

「それでこそ、正成が子、ようわかってくれた。うれしいぞ」

「ですがお父上」

「む」

「正行も成人して、そして勉強した上、ひとかどの大人となりましたら、自分の思うところを、思いのように、世に働いてもよろしいのでございましょうね」