Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
四
その古図を木曾殿に」
「差出せというのでござろう――お断りじゃ、お断り申す」
お弓が家へ入って来たのは、賀茂が断乎としてそう答えた時だった。
四
「いかにも摩耶谷の抜け道四十八路九百十余の迂曲を記した古図はある。しかしこれは我が祖先が十余代にわたって調べ上げた家宝で、他郷の者の眼にふれるべき品ではない」
「しかしその古図さえ差出せば五千貫の侍大将に取立ててやるという……」
「くどい、我が一族は摩耶谷に生き、摩耶谷に死ぬを以って本分とする、建武以来この掟に叛く者は一人もないのじゃ、断る!」
にべもない一言に、部将はさっと顔色を変え、いきなり拳を突出しながら、
「それでは改めて訊ねる。四、五日以前、この谷へ高山城の間者が逃込んだはずじゃ、そ奴をここへ出して貰おう」
「そんな者は知らん」
「知らんではすまさぬぞ、拙者の預かる鹿追沢砦の備えを探索に来た奴、七人まで追手を斬り自分も傷を負ってこの谷へ入込んだ事、しかと突止めて参った。下手に隠しだてを致すとためにならんぞ」
「――面白いな」
賀茂は静かに冷笑して、
「手負いが逃込んで来たかどうか、聞きもせずまた見もせぬが、ためにならぬの一言は気に入った、摩耶谷にも建武この方鍛えに鍛えた郷士魂がある、鐘ひとつ打てば百余人、いささか骨のある者共が集まって来よう、お望みならばひと合わせ仕ろう