Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

三

岡野は猩々緋の陣羽織を斬裂かれて振返り、政宗の兜の真っ向から鞍の前輪へかけて一太刀、二の太刀と返しざまに兜の錣を半ばかけて斬払った。――その時政宗の大剣が折れたので、岡野左内はすかさず右の膝口へ斬りつけたが、政宗の馬が狂奔したのと、着ていた物の具があまりに見苦しかったので、それが敵軍の大将伊達政宗であることに気付かなかった岡野は、別に追討ちもかけずに逃がしてしまった。

「あの時は全く命拾いをしたよ」

と後になって政宗はしばしばそう述懐したという。

三

「現にこの市之丞も」

と市之丞は言葉を継いだ。

「左内殿に劣らぬ武士になろうと、いつもそれを心に誓っているくらいです。稗を食おうと粟を拾おうと、武士が武道の面目を正している限り、いささかも恥ずる事はありません、――小房どの、あなたはかえって父上を誇りに思わなければならぬはずですよ。お分かりですか」

「――はい、……」

「さあ、もう機嫌を直して、今日はゆっくり菊枝と遊んでいらっしゃい」

菊枝もいそいそと、

「小房さま双六を致しましょうか」

と立ちかかった折だった。表の客間の方からにわかに高く、人の喚きたてる声が聞こえて来た。