Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
六
ぞ」
「まさかそれほどまでに……」
と兵右衛門が言った時、軍十郎が急に声をひそめて、
「いや、権六の言葉も冗談だとは言い切れぬぞ、――というのはお嬢さまが下郎をひどく贔負にしているのだ。四、五日前の晩にも二人でひそかに話し合っているところを見た、殊によると……いや、それについて改めておのおのに相談がある。夕食ののちに大馬場へ集まってくれ」
何を考えたか、軍十郎の顔には無気味な殺気が溢れてきた。
「よし、必ず行こう」
兵右衛門はじめみんなは固く頷き合った。
六
その夜と、いうよりもすでに明け近い八ツ半ごろ(午前三時)、のことだった。自分の小屋で眠っていた又平は、心へ徹る鋭い殺気を感じてがばと起上がった。
「――はてな……」
闇の中で耳を澄ますと、母屋の方に当たって乱れた足音と凄まじい気合の声。
「何かある」
と呟くのと、枕許にある木刀を持ってとび出すのと同時だった。弦月の光淡く照る庭をひと走りに、広縁の前へ来ると、内から雨戸が明いて――椙江が、
「お嬢さま!」
と呼ぶ又平を見るなり、
「あ、又平、早く、父上が」
「お退き下さい」
椙江を押退けるようにして跳び込んだ又平、居間へ駆けつけると、有明行燈の光のなかに五人の武士が、いずれも抜きつれて主人を取巻いている。