Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
するとそこへ、――向こうから銃を持った二人の男が走って来た。見るとそれは慶太郎若様と家来の若侍であった。
「あ、若様だわ」
お奈々が驚いてささやくうちに、慶太郎はずかずかと岸へ進み出て、
「いまおれの邪魔をしたのは貴様か」
と恐ろしい声でわめきたてた。
「せっかく射止めるところを逃がしてしまったじゃないか。馬鹿、馬鹿者! 貴様が水音さえ立てなければたしかに二羽は射落としたんだぞ。おれがねらっているのを承知でわざと」
「違います、違います若様」
お奈々がたえかねて叫んだ。
「今の水音は若様の弾丸を避けようとして金之助さんがころんだんです、その前には何も音なんか立てやしません」
「お奈々ちゃん黙って!」
金之助は強くさえぎって前へ進みながら、慶太郎に向かって丁寧に頭を下げた。
「申訳ございません若様、お許し下さい」
「馬鹿! 今更あやまっても雁が戻るか。貴様のお蔭で昨日は父上に叱られ、今日はまたこんな恥をかいたぞ。馬鹿、馬鹿者ッ」
「――あっ」
避ける暇もなく、慶太郎の平手がぴしッと金之助の頬で鳴った。――その時、金之助は拳をぶるぶるふるわせ、火のような眼で相手をひたとにらみながら大きく一歩前へ踏出した。