Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
「それは、それはまことか、おむら!」
「証拠はここにあります」
おむらは慶太郎を指さしていった。
「この姿を御覧下さいませ。御使者の役目が怖さに、自分は足軽の姿をしてかくれ、ほんとうの若様を身代りにして岡崎へ遣りました。その時の若様のお立派な態度は、ここにいる娘が証人でございます。――若様は、こんな卑怯な子を持ったと知れた時、あなたさまがどんなに悲しまれるか知れない、旦那さまのために秘密を守って身代りになろう、そうおっしゃって勇敢にお出かけ遊ばしました。わたくしが何を申そうより、これこそほんとうの若様である証拠でございます」
「――慶太郎!」
与右衛門は思わず西の空を見て呻いた。
おむらの眼に現れている真実の光、命を捨てた真実の光はもはや疑うべくもない。知らなかった、今日まで自分の息子と思っていたのは足軽の子であり、ほんとうの子は足軽として貧しく育ち、あらゆる苦労の中で人となったのだ。そして今、――彼は自分を悲しませぬために、喜んで他人の身代りになり、ただ一人敵陣を突破して行ったのだ。
――しかも彼は何も知らないでいる。
与右衛門はもう一度西の空を見た。