Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
。
「あっ」
「うーッ」
ほとんど同音に呻きながら、追手の武者はそこへ顛倒し、若い武士はがくんと横へのめる、その足を踏外して急斜面を、摩耶谷の方へ烈しく辷り落ちて行った。
何の手懸りもない崖だ、砕けた岩屑と共にだあっと四、五十米ころがり落ちると、下に茂っていた灌木林の中へ強かに抛り出された。――高腿に重傷を負っているうえに、岩の尖りで体を打ったから、しばらくは身動きも出来ず、萌え出した下草を掴んで呻くばかりだった。
しかし間もなく、若い武士はきっと顔をあげた、がさがさと灌木を踏分けて、こっちへやって来る妙な物音が聞こえたのだ。
――追手か?
と半身を起こしたが、
「あ! 熊、熊――」
と色を変えた。
灌木を踏みしだきながら、身の丈に余る一頭の大熊が、鋭い牙を剥出し、無気味に唸りながらこっちを狙っているのだ。――若い武士は脇差の柄に手を掛けながら、必死になって起上がろうとした、と見るなり、熊は凄まじくほえると、いきなり後ろ肢で立上がって襲いかかろうとした。
――駄目だ!
絶望の呻きをあげて脇差を抜放つ、ほとんど同時に、下の森の中から、
「五郎ッ、五郎ッ、お待ち」