Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「誰、――?」

お梶の声に、涙の眼で振返ると、いつ来たか部屋の入口に清吉が立って、にたにたと緊りのない笑いをうかべていた。

「ああ、清吉さえ元の体なら、どんなに気強いか知れないのに……」

お通はむせぶように呟いた。

四

どんなに泣き悲しんだところで、冑を捜し出さなければ父は帰っては来ない。――まだ十三の少女ながら、お通はやがて心を取直すと、藤兵衛や与吉と共に冑捜しを始めた。

冑の入れてあったという唐櫃も、何度か丹念に検べたし、土蔵の隅々床下から、それこそ天井板を剥がしてまで捜したが、どこからも冑は発見されなかった。

――おかしいわ。

お通は溜息をつきながら考えた。

――ほかの物と違って大きいのだし、それに宋朝伝来の冑なんて二つとない宝物というのだから、たとえ盗んだって売ればすぐみつかってしまうはずだわ。

そんな危険な物を、普通の者が盗むはずはない。それよりもっと手軽に売れる高価な物が沢山あるのだ。なんのためにわざわざそんなみつかり易い品を盗む必要があろう。

――でも冑なんて大きな物が、そうたやすく失くなるというのも考えられないし。

結局どうにも見当がつかなかった。