Japanische Klassiker mit Furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme
「お弓どのとおっしゃるのですね」
若い武士は苦しそうに微笑して、
「わたしは高山城の者で苅谷兵馬といいます。摩耶谷の事はよく知っていました、ここにこうしてお世話になるだけでも、何とお礼を言っていいやら……」
「まあそんなにおっしゃっては」
「いえ本当です」
苅谷兵馬は熱心に言った。
「わたしは殿の仰せで、木曾方の城砦の備えを探りに行ったのです。その帰りを鹿追沢の砦の者に見つけられ、六人までは斬りましたが最後の一人のためにこの傷を受け、尾根から転げ落ちたところをあなたに助けていただいたのです。――あのままでいたら大切な報告も果さずに全く犬死にをするところでした。お蔭で命も助かり、武士の任務を果す事も出来るのです、――有難う」
胸いっぱいの感謝に眼をうるませながら、心から兵馬は頭を下げた。お弓ははずかしそうに頬を染めて、
「わずかな事がそんなにお役にたつのでしたら、わたくしも嬉しゅうございますわ」
「ただ……御存じかも知れぬが、高山城と木曾方とは、今にも合戦に及ぼうという時、探り出した始末をすぐお城へ持って帰れぬのが残念です」
「でもこのお傷ではねえ――」
「治します、一日も早く治します、そしてお城へ」