Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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びしょうじょいちばんのり

美少女一番乗り

山本 周五郎

Lesen Sie 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.583 Zeichen · 149 Bildschirme

Aozora Bunko

「言訳は沢山だ。言訳などは聞いたところで仕方がない。貴公は八月五日限り返済すると約束した。その約束を守って貰いたいのだ。もう期日に三日も遅れているぞ」

「――だから……」

「いや聞かぬ、だからも糞もない。たとえ儂の娘と貴公の息子とが許嫁の間柄であろうと、それとこれとは訳が違う」

小房はあっと息をのんだ。――父である、父左内の声である、菊枝も市之丞もさっと顔色が変わった。

「だいたい貴公は食禄はどうしているのか」左内は隣屋敷まで筒抜けの高声で罵りたてた。

「上杉家の侍大将として五千石を頂戴していながら、他人に借銭せねばならぬというのからして不取締まり、まして返済の当てのない金を借りるなどとは武道のたしなみにも外れた致し方ではないか。それでは大事な御役が勤まるまいぞ」

「左内、それは少々言葉が過ぎよう」

六郎右衛門の声も高くなった。

「言葉が過ぎたら何とした。貴公を友と思えばこそ忠告もする。家事不取締まりと言った儂の言葉に嘘があるか」

「嘘だとは言わぬ。しかし同家中といい年来の交誼から推しても、いま少し穏やかに話してくれていいはずだ。貴公の声は六郎右衛門の恥を世間へ曝しているぞ」