Japanische Klassiker mit Furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 聞書抄 (ききがきしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.821 Zeichen · 210 Bildschirme
方がそんなことをなさらずともようございますと叱られましたものですから、今日までお詣りが出来ませんでしたと云いますので、そう云う訳ならわたくしがお伴い申しましょう、そして上人をも拝み、結縁をも願いましょうと、一所について行きますと、その道すがらも姉はいろ/\と物語りしまして、お父さまが生きていらっしゃればちょうど御僧と同じお年頃なのですが、どう云う罪の報いであろうか、浅ましいことに、お父さまには生きながら別れ、お母さまには死に別れてしまいました、せめてもう少し成人してからのことならば、おん面影が身に添うて淋しい時の心の友になりましたろうに、恨めしいお父さまのなされ方ですと、又しても泣きながら口説きますのを、弟が聞いて、お父さまは佛におなりなさったのだといつもお母さまが仰っしゃったではありませんか、そんなにお泣きになるものではありませんと、いじらしいことを申しますものですから、それを聞かされる私の心は後先も分らぬ闇にとざゝれ、行く手の道も眼に見えぬような気がしました。そのうちにだん/\御寺が近くなりますと、なるほど大勢の参詣人が後から/\とつゞいて来る