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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「好かろう筈があるものか」

と寛一君は怖い顔をして見せた。

「何か言っていたかい?」

「うむ。新太郎の奴、お母さんを瞞すのが上手で困るって言っていた」

「矢っ張り知っているんだね」

「知っているとも。『見す/\嘘と分っていても、それを言えば母親が先に立って騒ぐからと思って黙っていたが、まさかお前も後から神経衰弱を起す約束じゃあるまいな』と僕に一本釘を打ったよ」

「遣り切れないね」

と新太郎君は大袈裟に頭を掻いた。

「未だあるんだよ。『女親の馬鹿には困る。お前の前だけれど』と来た。余り無理な拵えごとをすると伯母さんが可哀そうだぜ」

「全然拵えごとでもないんだがな」

「おれにまで嘘をつくなよ」

「いや、真正だよ。苦労をかける分、病気が直ってから一生懸命に働く」

「然うし給えよ。悪いことは言わない。僕は今夜は忠告係だ。未だあるんだぜ」

「何だい?」

「君は既に七月まで引き出していたんだってね? そこへガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーから六七八と三月分渡せと特別命令が出たものだから、新井さんは狼狽したのらしい。前貸をしましたと言えば叱られるに定っている。何とかしなければならない。