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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

『長いこと会計係をやっていますが、帳簿を誤魔化したのは今度が初めてです。若旦那が勤めるようになってからは種々の芸当をさせられます』と言っていたぜ」

「新井さんは気が小さいからね」

「会計係は気が大きくちゃ困る。兎に角暮までに何とかしてやらないと、新井さんがお目玉を食うよ」

「年末賞与で埋めてやる」

「年末賞与が貰える積りかい?」

「些っと怪しいか? ガ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ナーは他人も身内も見境がないからね」

と新太郎君、甚だ覚束なかった。

寛一君は翌日昼過まで海岸の空気を吸って又次の日曜を約したが、

「君、そこの離れにいる男は確かに肺病だよ。折角丈夫な身体を転地療養に来て、病気を背負っちゃ詰まらないぜ。早く何処かへ越し給え」

ともう一つ忠告を残して行った。新太郎君はその晩女中に、

「あの離れにいる人は何処か悪いのかね?」

と訊いて見た。

「あの方は……」

「何だい?」

「……あの、肺が極く少しお悪いんだそうでございます」

と女中はモジ/\しながら答えた。尋ねられても言わないようにと教えられているのらしかった。

「驚いたな。ふうむ。食器なんかは何うしているね?」