Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
と操さんが囁いた。
「お母さんのは信仰ですよ。迚も理窟じゃ動きません」
と友三郎さんも落胆した。
操さんとしては母親の片意地は覚悟の前で、種々と対策を考えていたが、秀子さんの我儘は全く思いの外だった。
「秀子さん、決心がついて?」
と促した時、
「姉さん、私、西川さんと半年か一年交際させて戴きとうございますわ」
という返辞だった。
「そんなことはお母さんがお取り上げになりませんよ」
「でも余り急なんですもの」
「それは私達、西川さんならお互にもう気心が知れていると思って、安心していたからよ」
「それがひどいわ」
「あらまあ、それじゃあなた行きたくなくて?」
「姉さん、私、それが気に入りませんのよ。西川さんなら行きたかろうと初めから定めていらっしゃるのが気に入りませんのよ、私」
「秀子さん、あなたそれじゃ少し我儘が過ぎやしませんか?」
「でも、私、自分の考えがありますわ」
「兄さんにしても私にしても、これでもあなたの為と思って、随分人知れず心配していますのよ」
「それは分っていますわ。けれども私だって赤ん坊じゃありませんからね」
「それだから考えて戴きますの。私達、決して勧めるんじゃありませんわ」