Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
乱れを感じた。そうすると、
「勝負」
といって、一座を見まわす女の張りのある声にも、眼にも、なんとなし、わざとらしい、詐術めいたいろが看取される。
金五郎は、どきっとして、槍の眸で、女の手元を睨んだ。直感は誤まっていなかった。おどろいた金五郎は、狼狽する気持で、立ちあがった。躊躇しては居られなかった。
「ちょっと、壺ふりの姐さん」
と、女を呼んだ。
「あたしですの?」
「そうです、すみませんが、ちょっと、廊下まで……」
満座の不審そうな視線のなかを、二人は、廊下に出た。
雨ははげしくなっていて、竹林の奥のどこかで、滝のように、水の流れる音がしている。
「なにか、あたしに?……」
「姐さん、壺笊を取りかえて下さい。インチキはいけません。わたしが気づいたからよかったものの、他の客に知れたら、大変なことになります。相当にうるさい親分衆がいますから」
女も、多くを聞かなかった。
「わかりました」
青ざめた顔で、一言いったきり、くるりと廻転して、盆茣蓙にかえった。
どうも、変なので、はじめは、骰子に仕掛けのある道具賽を使っているのかと思った。しかし、眼を金盥にしてみて、壺笊の一部が巧妙に偽装してあって、外から中の殻子の目が読めることがわかったのである。