Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
四年ぶりで逢うのに、時次郎を見ていると、表に、愛馬の四歳馬がつながれているのではないかという錯覚をおぼえるのだった。日にこげているが、昔と変らぬ頑健さで、濃い粗野な眉や、節の太い手の指に、故郷の谷のにおいがあった。
「なにから話したら、ええか……?」
四年間の思いをこめる眸で、時次郎は、昔とは変ったマンを見る。
時次郎の眼に映るマンは、もう、四年前、太陽の光線のさすことの少い谷間で、煙草の葉を巻いたり、牛に餌をやったり、炭を焼いたりしていた百姓娘ではなかった。マンの顔から、野性が失せてはいなかったけれども、時次郎の知らぬなにかによって、別の彩りがつけられ、磨きがかけられていることは、疑うことが出来なかった。それは、不思議な一種の圧力になって、時次郎を圧迫する。広島の山奥では、マンに、こんなものを感じたことはなかった。それだけに、時次郎は、いよいよ、平静さをうしない、追っかけられるように、気分が尖って来るのを、どうすることも出来なかった。
「お父さんや、お母さんたち、元気でいなさるか知らん?」
そんなマンの当然の質問も、はがゆい気持で、
「元気で居りんさる」