Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
「大親方、なにをなさいます?」
「玉井、わしは、前々から、お前を、永田組ではのうて、聯合組の大黒柱になって貰いたいと考えとった。それで、すこし、出過ぎたかも知れんが、永田組の札のあとに、玉井組の札を掛けることも、もう、すっかり、段取りしてしもうた。それから、本腰を入れて、仕事を切り盛りして欲しいと思うて、お前のために、家も一軒、借りてある。若い衆を十人くらいは置けるくらいの、ちょっとした二階家じゃ。そこへ、移って貰いたいと思うとる」
「その家というのは、どこですの?」
と、夫人が、訊ねた。
「若松の新仲町じゃ。どうで、洞海湾の石炭荷役は、若松港が主じゃけ、仕事師は、若松に住んどらんと、本式にならん。この戸畑はなにかと不便じゃ。聯合組の事務所も、若松側にあるし、……な、玉井、そうしてくれ」
「困りました」
「若松は、うるさい奴が、いっぱい居るけ、怖いか?」
「怖いことなんか、ないですけど……」
「そんなら、行ってくれ。若松で、玉井組の看板を掛けて、立派な男になってくれ」
「金さん、あたしからも頼みますよ」
「帰って、家内と相談してから、御返事します」
金五郎は、牡丹雪を被りながら、重い足どりで、帰宅した。