Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
しかし、落ち目になっている、このころの江崎一家というのは、まったくの烏合の衆といってよく、屁っぴり腰の者が多かった。酔っている者もある。腹心の部下というのは数人で、あとは傭兵である。日当を貰い、御馳走酒にありつく目的で、ひやかし半分に入りこんでいる者もあった。
それでも、衆を恃んで、外見ばかりは勇ましく、人気のない病院と寺との横道を、新仲町に出た。陣形をととのえ、玉井家を、包囲した。
斥候が、偵察に出た。玉井組の表まで、そっと忍んで行き、帰って来ると、隊長の江崎満吉に、
「どうも、変ですよ」
と、報告する。
腹心の者をやっても、同様なので、江崎が自身で行ってみた。彼も、(どうも変だ)と思わずには居られなかった。変を通り越して、不気味になって来た。
これまで、幾度も果し合い、決闘、なぐりこみ、遭遇戦などをやって来たが、こんなのは初めてだった。相手が、こちらのなぐりこみを待ちかまえ、武装を整えて勢揃いして居れば、同じ気合の弾みで、どっと、飛びこむことが出来る。しかし、玉井一家は、そんな註文どおりの隊形を整えていない。
五十張りを越える提灯を、玄関一杯に点し、その中に、ぽつんと、金五郎が、たった一人、いるきりだ。