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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

おれが、指南してやる。……それにしても、……」

と、永田杢次は、俄かに、感慨に耐えぬような、遠くを見る回顧的な眸になって、

「お前と、おマンとが、二人で、乞食の引っ越しみたよな恰好で、おれのところを頼って来たのは、ありゃあ、もう、何年前になるかなあ……?」

「あれから、三年ほどが経ちました」

「そうなるかなあ。下関の「なんでも屋」ちゅうのは、同郷の直方でなあ、あんまりしゃんとはしとらんけど、正直なええ奴じゃ。その「なんでも屋」の紹介状を持って来たもんじゃけ、お前たち夫婦を信用したんじゃが、……その乞食の風来坊が、おれの跡を継いで、こげえ立派になろうなんて、そこまでは、おれも思わんじゃったよ」

「みんな、親方のおかげです」

「なんの、おれのおかげがあろうかい。おれみたよな、腑抜けの呆作は、人のためになったことなんて、一回もありゃせん。それどころか、おれが、今、こうして、安閑として居られるのは、玉井、みんなお前のおかげじゃと思うて、いつも、家内と二人で、感謝しとるぞ」

「なにをいわれますか。こんなことでは、わたしの親方に対する御恩返しは、足りないのです」

それから、なお、十分ほど、雑談した後、永田家を辞した。