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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

合言葉のように、誰かが答える。

中ノ島から、聯合組岸壁まで、どうにか漕ぎ帰ったころから、嵐の気ざしに出あったのだった。伝馬船は仲仕の生命だ。夕食などそっちのけで、四隻の船の防衛に当った。

たぎりたつ波に翻弄されて、岸につながれた多くの船は、舷を接し、もみあい、ぶっつかる。ギギイ、バリバリと、船体が分解してしまいそうな音が、あっちこっちで起る。艀や黒船の林立した柱が、振り子のように傾き、編んだように交錯する。折れるのもあった。どこからかわからないが、悲鳴のように、汽笛や、サイレンが鳴って、地獄の叫喚が現出されていた。

「纜綱が切れたあ」

そう喚いたのは、「ノロ甚」らしかった。

「よその船に、つないどけ」

金五郎はそう絶叫したが、もう返事がなかった。またたく間に、流されてしまったらしい。

「やっぱり、将棋のほかにはなにをやらしても、のろくさいのう。あの小伝馬にゃ、清七も乗っとったのとちがうか。清七の奴も、朝、頭をたたかれて、夕方ごろ、アイタというような奴じゃげ、よう揃うたもんじゃ」

金五郎は、かたわらにいた「六ゾロの源」に、そんなことをいって笑った。

「大丈夫じゃろか?」