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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

マンが乗っていると、

「この渡しは危いねえ。早う、橋をかけるか、海底トンネルにすべきじゃよ」

と、話している者があった。

「これは、玉井の姐さん、どちらまで?」

と、声をかけられた。

ふりかえると、城三次が立っている。「山九運輸」と襟に入った半纏を着、タンクと呼ばれている半ズボン、ゴム長靴、チョッキには時計の銀鎖、手に大きな風呂敷包みを持っている。三次の顔は、笑うと、左の唇がひきつるので、異様な形相になる。日本刀で斬られた痕である。後頭部にも、鳥打帽を取れば、大きな傷痕が見える筈だ。二十数年前の嵐の夜、金五郎が角助一味から、滅多斬りにされたとき、城三次も、傷を負ったのであった。後でわかったことであるが、三次は逃げて行く暴漢の一人に追いつき、組み打ちをして、怪我をしたのである。相手は逃げてしまった。

「オヤジのかわりに、おれが斬られりゃ、よかった」

あのとき、金五郎のむざんな姿を見て、三次は、そういって、男泣きに泣いたのである。

その城三次は、今は、「山九組」の小頭として、ちょっとした親分になっている。

「おれみたいな奴が、この若松を、大きな顔で通れるのも、みんな、玉井のオヤジのおかげじゃ」