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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

中には、顔を知っている者もまじっていて、「勝則さんの祝言は、いつですか」などというので、一層、顔が赤らんだ。

雨に煙る海のうえを、渡船は若松に着いた。

マンは、三次と別れ、蛭子通りから、原田雲井の家のある浜ノ町へ曲った。

一町も行かぬうち、一軒の家の中から、

「玉井のごりょんや、寄って行かんかな?」

と、呶鳴る者があった。女の声である。

マンは、微笑して、立ち止まった。その家の方へ歩いた。そのマンの耳に、どよめきのように、猫の鳴き声が聞えて来た。

勝手を知った縁側の方に廻ると、四十匹ほどの猫の群衆の中に、「二代目ドテラ婆さん」が、胡床をかいていた。

縁に、二人の若い芸者がいる。

「どうな、うちの前を、素通りは出来まいがな?」

川野ノブは、身体をゆすって笑った。

「そうね、猫にかけちゃあ、あたしも、おノブさんには勝ちませんよ」

「あんたは猫好き、おれは猫気ちがい、狂人には、誰も勝たん。じゃが、おれは猫を好かん奴は、信用せんことにしとるばい。悪い心の奴には、猫の可愛いことがわからん」

「そんなら、あたしは信用があるのね」

「大あり、大あり。……ほうら、猫の方でも、よう知っちょる。