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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

金五郎は、やっと、情炎に狂う女をつき放して、表に逃げだす。

そんなことが、毎夜であった。

金五郎は、家を外にするようになった。道後温泉に行くと、三日も四日も、帰って来ない。

酔っぱらって、警察の厄介になったことも、数度あった。

自然の順序として、金五郎の放埒は、村の評判になる。

養子縁組の仲介役をつとめた村長が、金五郎を呼びつけた。

「金さん、目にあまるぞな。お前、どないなわけで、そがいな無茶するんじゃ?」

「どがいも、こがいも、家に居ったら、ヤスに殺されるけに」

まったく、醜女で、白痴で、大女のヤスが、らんらんと眼を光らせて、挑んで来る姿を想像すると、金五郎は、慄然として、頽廃的な気持にならずには居られなかった。黒石家は、黒縄地獄である。

「金さん、お前、道後に、いいかわした女でもあるとじゃないけ?」

「そんなものは、ありません」

「わしには、打ちあけてくれんかい。黒石でも――もう仕方がない。ヤスを嫁としてあつこうてくれりゃ、その女を請けだして、メカケとして、ちゃんと、おさまらせる、というとるけに……」

「ほんとに、そんなものは、ないです」

それからも、金五郎の乱行は高じるばかりであったので、遂に、四月になって、正式に離縁された。