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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

この道は暗い。二間幅ほどの道をはさんで、両側に、どちらも、高い花崗石の崖と、煉瓦塀とが聳えている。右は、安養寺、左は、明治建築の古風な尖塔を持つ筑豊鉱業組合事務所。寺の方には、夜目にも黒くそそり立つ一本の銀杏と、墓石と、鐘楼とが見える。

(今はお伽噺の本をよろこぶ十二歳の末子も、いつか、青春の日が来て、また、美しい女の子が好きになるのじゃろうか?)

そして、先刻、「夕立」の舞台で見た光丸が、いつか、「猫婆さん」のところで逢った芸者であったことを考えながら、暗い坂道の中ほどまで来たとき、

「ちょいと、玉井のごりょんや」

と呼びとめられた。

ふりかえると、三人の男が、すばやく、マンを取りかこんだ。

「なんぞ、わたしに御用で?」

「おう、用事がのうて、どげして呼ぶか。あんたに、ぜひ、話しておきたいことがあるんじゃよ」

「承りましょう」

「お前の倅の勝則にな、やたらに、女子に手をつけること、止めさせちくれ」

「勝則はそんことする子じゃありません」

「証拠があってもか」

「どんな証拠?」

「人の奥さんになる女子に、子を孕ましちょる、ちゅうが、……」

「馬鹿なこと、いいなさい。もし、それがほんととしても、勝則は、きっと、責任を取るでしょうよ」