Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
その年の暮、勝則が生まれたのであった。皺のあらわれた金五郎夫婦の顔に、歳月と歴史とが織りなす、人間の宿命を思う大らかな表情が、共通に、あらわれていた。
「無理に、勝則を藤本と縁組みさせたら、おれが黒石家に養子に行ったときのようなことが、起るかも知れんなあ」
金五郎が、そういえば、
「あたしも、村長さんの二男坊の敬やんと、夫婦にならねばならん義理あいに、なっとったんじゃけど、……」
マンも、自分に引きくらべて、それをいうのだった。
すでに、夫婦は、息子を許す気持で、一致していた。
「辻木の方も、あきらめにゃ仕様がないわい。要之助が、山笠で喧嘩をふっかけたために、勝則を光丸のところへ、追いやったようなもんじゃけ」
「そら、そうと、お父さん、なんで、勝則を、博多にやんなさるの?」
「一番で発ったあと、すぐ、青柳さんのところ宛、電報を打つつもりじゃ。ウナ電で打ちゃ汽車より早よ着く」
「どんな電報?」
「カツノリ、ミツマル、フタリトモ、モンダイカイケツスルマデ、ソコニカクレトレ――ちゅうてな」
「ウフフ、お父さんの芝居のうまいこと」
玄関で、朝刊を投げこむ音がした。
数日が、経った。