Japanische Klassiker mit Furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme
前から、さかんに、ストライキを力説していたので、すこぶる満足らしい。
「さあ、何日でも、何十日でも、頑張るばい」
米俵の山を見あげて、にこにこ顔である。
ならべられた五升釜に、ぐらぐらと、米が煮える。それを眺めながら、マンは、
(昔、これとよう似たことがあったが、……)
ふと、遠い思い出に、ひたることがあった。
(そうじゃ。江崎満吉が、なぐりこんで来るという晩じゃった)
金五郎から、手出しするな、といわれて、台所で、大釜に、糊をたぎらせていたのである。暴漢どもが闖入して来たら、柄杓で、それを打っかけてやるつもりだった。
(あれから、もう、三十年近くがすぎた)
胸にしみる歳月の流れである。
金五郎の顔を見ると、
「兵粮の心配はしなさんな。あたしが居りゃあ、大丈夫。しっかり、交渉の方を進めて下さい」
夫の肩をたたくようにして、激励した。
「面白がっちょるのう」
金五郎は、仏頂面で、そういう。マンは、ストに入っても、憂鬱そうにしている金五郎の様子が、腑に落ちない。
(どうしたとか知らん?)
首をひねってみたが、わからなかった。
港内の全作業が停止した、という破天荒の椿事によって、争議は、急転直下、解決した。