Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

女同士、あんただちの気持がわかるにちがわん。

――いやいや、今、今。

なおも、お葉は、火達磨のごとなって、しちくどう、おれを説き伏せようとした。けれど、とにかく、一度、九州に帰ってからということで、話が折り合うた。

それでも、翌朝、お京には、お葉の口から――とうとう、お母さんの永い間の一念を果した。……という風に報告した。おれがそげな風にいわせたんじゃ。そしたら、病床のお京がにっこり笑うて、

――これで、やっと、おマンさんに勝ったわ。

と、いうた。

(なんちゅう寂しいことか)

そう思うて、おれは涙が出た。

おれは馬鹿たれで、やることなすこと、へまばっかりを一生涯つづけて来たが、またしても、哀れな女に大嘘をついてしもうた。それでも、その嘘で、お京が浮かばれるちゅうんなら、まあ、悪い嘘でもなかろうかと、勝手に慰めとるだけのことよ。

お京は、死んだ。死顔が笑うとるようで、美しかった。死ぬ間際に、般若の五郎さんは自分が死んでから、東京に置いとくと、碌なことはせんけ、おれのところに置いてくれ、ちゅうもんじゃけ、つれて帰ったんじゃ。……お京は、死んでしもうた」