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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

チヱは、眼を落して、洗濯する手をつづけた。痩せた長顔に、油気のないほつれ毛が、たれ下って、かすかな風にゆらいでいる。

マンは、洗い終った猫を、前だれの中に包んで抱き、

「きっと、今夜も、喧嘩でしょ。いつも、兄さん、外で飲んで帰ると、ベロンベロンで、ねえさんをいじめる。あばれる。障子や襖を破る。茶碗を割る。ランプのホヤを割る。そして、朝になったら、喧嘩でくずした物を修繕したり、新しく買ったり。それを、また、こわす。また、買う。きりがありゃせん。まるで、夫婦喧嘩のつくろいをするために、働いとるみたいに見えるわ。ところが、そんなに、仲が悪いくせに、別れようともせんし、……子供は、どんどん、生まれるし……」

チヱは顔をあげて、笑いながら、

「おマンさんは、まだ、若いわ。夫婦って、奇妙なものよ。今に、わかるわ」

「そうかしら?……あたし、もし、亭主を持つことがあっても、兄さんのような横暴、絶対、許さんわ」

「おマンさんなら、どうなさる?」

「あたしなら、とっくに、別れます。……ねえさんは、我慢づよいのね。今年の春、兄さんが、変な女にかかりあったときだって、別れようとせんのじゃもん。