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Japanische Klassiker mit Furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lesen Sie 花と龍 (はなとりゅう) von 火野 葦平 (ひのあしへい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 410.131 Zeichen · 824 Bildschirme

Aozora Bunko

これは、長居するところじゃない、と思うとるうちに、今度のインド丸事件が起った。それで、きっぱり、見切りをつけたんじゃ」

マンは、胸をしめつけられる思いだった。

「荷役に負けたら、喧嘩をふっかけろ、なんて、わたしはあきれたよ。ところが、どうにか、浜尾組の顔が立ったもんじゃけ、今度は、わたしを助ボーシンに取りたててやる、というんじゃ。結構です、というて断ったら――お前の手柄に対して、褒美をやる。三人居るメカケを一人やる。……そんなことを、いう。それも断ったら――なんでも、いえ。なんでも、聞いてやる。……親方が、そういうもんじゃけ――暇を下さい。……そういうたら、それは許さん、というんじゃ。でも、わたしは、もう、心にきめた。明日にでも、この組を出る。……わたしの気持、わかってくれるかしらん?」

「よく、わかります」

「それで、……おマンさん、あんたも、……あんたのような、仕事の出来るひとも、……こんな組に居って、腐ってしまうのは、惜しいと思うて、……出たら、どうかと……」

すると、このとき、長屋の入口が、にわかに、騒々しくなった。

がやがやとなだれこむように帰って来た仲仕たちの中に、寝かされた人間をのせた戸板が、幾つもある。