Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「ほほ、お腹が空いたなんて面白いこと仰有るわね。」
「まあ、おばさま、変にお笑いになっちゃ厭。どうしてそんな声でお笑いになるの。」
「べつにわたくし変な声でなんか、とくべつに、笑わないんですけれど、……」
「だって寒気がしてくるわよ。さあ、おはいりになって。」
「きょうはいけないの、お使いのかえりなものですから、すぐ戻らなきゃならないのよ。」
「誰のお使いなのよ、誤魔化したってだめ。」
「まだお買物があるんですから、それから片づけなくちゃ。」
「じゃ、あたいも一しょにお供するわ。離れないでついてゆくわよ。」
「いらっしゃい、あなたのお好きな物、何でも買ってあげるわ。」
「おばさま、じゃ金魚屋に寄って頂戴、うちの金魚にたべさせる餌を買っていただきたいの。」
「冬なのに、金魚屋のお店なんかあるかしら。」
「いえ、金魚の問屋のお爺ちゃんの家にゆけば、何時だってあるのよ。」
「問屋は何処にあるの。」
「あたい、ちゃんとそれを知っている、マアケットの裏長屋の二軒目で、おばあちゃんが古綿の打直しをしているんだから、綿打直シの看板を見てゆけばすぐ判るわ、おじいちゃんはそこに冬越しの金魚と一しょに暮しているの。