Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「騙されていながらそれが嬉しいことになるのか知ら、あたいにはそれがよく判らない。」
「騙されるということは、気のつかない間は男に媚びているみたいなものよ、気がつくと、がたっと何処かに突き堕された気がしてしまうんです。」
「おばさまも突き堕されたのね。」
「ええ、では、もう暗くなったから、そろそろ行きましょう、もうこれで再度とお目にかかることもないでしょうから、あなたも寒い冬じゅう気をつけてね。」
「も一度おじさまを呼んで見るわ、あたいの呼ぶのを俟っているかも知れない。」
「呼ばないで頂戴、ね、呼ばないで。」
「ちょっと俟っててよ、ちょっと、些んのちょっと俟って。」
「では、また。」
「おじさま、おばさまが帰るから、すぐ、いらっしってよ、おじさま。」
「そんな大きな声をなさると、近所のお家に聴えるじゃないの、お呼びになるとわたくし足が竦んで来て、きゅうに、歩けなくなるんですもの。」
「何しているんでしょう、まだ、何かにこだわってじっとしているのよ、出て見たくてならないくせに、何時もああなんだ、何をしているんだろう、ね、時計見ていてね、あと五分間俟って、五分経ったらいらしってもいいわ、拝むから。