Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「いやだよ、いい年をしてさ。」
「ね、一ぺんこっきりでいいから言って見て頂戴、男の人の口からそれを聞いてみたいんだもの、人を好くということは愉しいことでございます、……」
「人を好くということは、……」
「愉しいことでございます、と、息をいれずにひと息に仰有るのよ、おじさまったら、歯がゆくてじれったいわよ、人を好くということは愉しいことでございますと言うのよ。」
「人を好くということは、……」
「また吃ったわね、ずっと一気につづけるんだと言っているじゃないの。」
「人を好くということは、……」
「すぐ、あとを言いつづけるのよ。判らない方ね。」
「僕にはとてもいえない、かんにんしてくれ。」
「何て年よりのくせにはにかみやだろう、もう言わなくてもいいわよ。」
「慍ったね、じゃ言うよ、人を好くということは人間の持つ一等すぐれた感情でございます。」
「ちがうわね、勝手に言葉を作ってはだめじゃないの、人を好くということは、ほら、早くさ。」
「人を好くということは、……」
「何てじれったいおじさまでしょう、それで小説家だの何のって可笑しいわよ、あたいの言葉の終らない前に続けるのよ、人を好くということは、なのよ、あら、黙っちゃった。