Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「…………」

「言わないの、早くさ。」

「僕はだめだ、きみひとりで其処で何度でも言ってくれ、僕はばかばかしくなるばかりだ。」

「わかさがないのね。」

「何もないよ、すっからかんだよ、好きでも口にはいえない言葉というものがあるもんだ。」

「あたいね、おじさまみたいなお年よりきらいになっちゃった、幾らいってもテンポが鈍くて、じれじれして噛みつきたいくらいだわ。」

「金魚に噛みつかれたって痛かないよ、いくらでも噛みつくがいいよ。」

「あんなことを言っている、あたいだって一生懸命に噛みついたら、おじさまの痩せた頬のにくなんか、咬みとるわよ。」

「怖いね、大きな眼をして。」

「おじさまと遊んでやらなかったら困るでしょう。呼んだって返事しないからね。」

「慍るな、あやまる、きみが遊んでくれなかったら、誰と遊んだらいいんだ。」

「じゃ、先刻のことをもう一遍くり返していうのよ、ね、いいこと、人を好くということは、……」

「人を好くということは愉しいものです。」

「おじさま、早く起きて。」

「すぐ起きるよ、石が着いたらしいね。」

「どんどん着いているわよ、表に出て見て驚いちゃった。道ばたは通れないくらい積み上げて行ったわ。