Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
」
「どれだけいただきになったの。」
「文章が一枚半ついていてね、合わせて一万円貰った。」
「おじさまはそれをわたくしにね、正直に仰有らなかったわね。幾ら来たってこともね。」
「金魚にお金の話をしたって、どうにもならないじゃないの。」
「だって、あれ、ほんとうは、あたいのお金じゃないこと、あたいをお画きになったんだもん、あたいにくださるとばかり、そうおもっていたわ。」
「何だか僕もそんな気がしないでも、なかったんだけど、」
「でね、おじさま、それについてね。」
「あ、」
「もうお金、だいぶ、おつかいになった?」
「半分つかったけれど、まだある。」
「何に半分、おつかいになったの。」
「千五百円の玉露を百目買ったし、雉子羽根のはたきを一本と、赤玉チーズを一個買った、……」
「あたいには、とうとう、何も買ってくださらなかったわね。」
「君なんかのことは、まるで、わすれていた。」
「おじさまはずるいわね。あれ、本当をいえばあたいのお金じゃないの。」
「そういうことになるかね。きみを見て画いただけで、それがきみのお金になるものかな。」
「あたい、いつ下さるかと、窓の方を毎日のぞいていたのよ、で、ね、あと半分のお金、いただきたいわ。