Japanische Klassiker mit Furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.662 Zeichen · 174 Bildschirme
の中にいる時だって、やはりそれを考えつづけているのよ。」
「どうして厠の中で考える事がきちんと何時も捗るんだろうね、厠で考えた事は、何時も正確で後悔はない。」
「それからも一つ、お夕方に勝手でお茶碗やお皿を洗っている時があるでしょう、せとものがかちかち触れて鳴るでしょう、そしてその水をつかう音とせとものの音とが、突然、静まって音がしなくなり、しんとして来る時が不意にあるでしょう。」
「あるね、」
「あの時にね、どうして手を休めなければならないか、ご存じなの。」
「知らない。」
「つまり女が男について或る考えに、突然、取り憑かれてしまって手が動かなくなるのよ、ほんの少時といっても瞬間的なものだけれど、どうにも、身うごきの出来ないくらいに考え事が、心も身もしばりつけて来る瞬間があるのよ、あんな怖い鋭い時間ないわ、予感なぞがないくせに突然やってくるのよ、前後の考えに関係なく、不幸とか幸福のどちら側にいても、そいつがやって来たら動けなくなるわ、内容は種々あるけど、はっきりと分けて見ることは出来ないけど、それがやって来たら見事にしばらくその物が往ってしまうまで、睨んでいても、見過ごすよりほかはないのよ。