Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
ただ悲しいことには、いつかは私達の住む場所がなくなってしまうような時が参るでしょう。私達は別にそれを怨めしくは思いませんが、このままで行きますと、かわいそうに、あなた方人間は一人ぽっちになってしまいますでしょう」
王子はその言葉を聞かれると、何故ともなく非常に淋しく悲しくなられました。そして二人は長い間黙ったまま、悲しい思いに沈んでいました。月がだんだん昇ってきて、ちょうど真上になりました。
その時、千草姫はふと頭を上げて月を見ました。「もうお別れする時が参りました。これを記念にさし上げますから、私と思って下さいまし」
そう言って、千草姫は片方の腕輪を外して王子に与えました。
その時、どこからともなくいろんな色の小鳥が出て来て、千草姫のまわりを飛び廻りました。王子はびっくりしてその小鳥を眺められました。
「これでお別れいたします」
そういう声がしましたので、王子はふり返って見られると、もう千草姫の姿は見えないで、そこにまっ黒な大きい鳥がいました。くちばしに千草姫の片方の腕輪をくわえて、羽は皆百合の花びらの形をしていました。
その鳥は王子の方へ一つ頭を下げたかと思うと、もう翼を広げて飛び上がりました。