Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
お祖父さんは、まんまるい眼鏡の下にびっくりした眼を開いて、子供を見ました。
「なに、塀をくれって……」
「ええ、下さいよ。おもしろいことがあるんです。こわしやしません。ただ遊ぶだけなんです。塀で遊ぶんです。ね、いいでしょう」
「塀で遊ぶって……おかしなことを言う子だね。こわしさえしなければよいけれど……」
「じゃあ下さいね。遊ぶだけなんですから」
そして子供はもうお祖父さんの側から駆け出して、部屋の中にはいって、大きな硯箱を持ち出して、またもとの塀の外に駆けてきました。
「何をするの」
待ってた子供たちが集まってきました。
「今ね、この塀をお祖父さんからもらってきたんだ。だから、こわしさえしなけりゃ、何をしたって叱られやしないよ……これから皆の影法師を、この塀の上に写し取るんだよ」
「影法師を写し取る……うん、おもしろいな」
皆はわーっと声を立てておもしろがりました。そしてすぐにそのしたくにかかりました。小川の水を硯にくみ取って、一生懸命に墨をすりました。早くしないと、太陽が昇ってしまいます。太陽が昇ってしまえば、影法師は小さくなってだめなんです。
「僕が考えたんだから、僕が先だよ」