Japanische Klassiker mit Furigana
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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
Lesen Sie 豊島与志雄童話集 (おつきさまのうた) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.569 Zeichen · 336 Bildschirme
太郎が持ってる不思議な地図をたよりに、町から町へ、村から村へと、進んでいきました。ところが、十日たち、二十日たつうちに、旅はしだいに困難になってきました。
村がだんだんなくなってきます。見渡す限りひろびろとした荒野の中や、いつ通りぬけられるかわからない森の中などに、いくにちも迷いこんだり、けわしい山のすそを遠くまわったり、雨が降って旅ができなかったり、いろんなことがあるうえに、夜はいつも馬車の中に寝なければなりませんでした。けれどもみんな、チロも馬も元気でした。キシさんは歌をうたったり、おかしな話をしたりして、太郎とチヨ子を笑わせました。
それから、カラマツの森の中に、また迷いこんで、四―五日も出られなかった時は、さすがのキシさんも弱ったようでした。一番困るのは、水がなかなか見つからないことでした。そしてある夕方、思いがけなくその森から出ると、すぐそこに、ひとかたまりの家がありまして、その先には、青々とした野原が広がっていました。
「村だ、村だ」と、キシさんは叫びました。
馬を駆けさせて、村にはいりました。
村といっても、十二―三軒の家だけで、その家はみんな、低い土壁に瓦屋根をのせて、入口が一つついているきりでした。